もう捨ててしまった方へ

医療費の領収書を捨ててしまったときにやること

多くの医療機関は、領収書を再発行しません。

医療機関に定められているのは
「支払を受けるときに領収証を無償で交付する」義務であって
(保険医療機関及び保険医療養担当規則5条の2)、
あとから作り直す義務ではありません。

それでも、医療費控除を受けられる場合があります。

健康保険組合などから届く「医療費のお知らせ」が
国税庁の定める要件を満たしていれば、添付書類として使えます。

ただし、要件は6つあり、1つでも欠けると使えません。
年末近くの受診分が載っていないことも多いものです。
そこを確かめるところから始めます。

動くのに期限があります
その年の医療費控除を受けるつもりなら、申告の期限までに手を打つ必要があります。 「医療費のお知らせ」が使えるかどうかを、先に確かめてください。
再発行 再発行が難しい
このページの内容

捨てて困るのはどんなとき

捨てたこと自体が問題になるのではなく、 必要になる場面が来るかどうかで変わります。 当てはまるものがなければ、急いで動く必要はありません。

早めに動く

今年の医療費控除を受けたい

まず、加入している健康保険から届く
「医療費のお知らせ」を探してください。

国税庁は
「健康保険組合から送られてきた『医療費のお知らせ』が、
医療費通知に該当する場合には、医療費控除を受ける際の
添付書類として利用することができます」としています。

★問題は「該当する場合には」の部分です。
6つの記載事項がそろっている必要があります。
下の「代わりになるもの」で確かめてください。

確定申告の期限まで
早めに動く

過去に申告した年の領収書を捨てた

医療費控除を受けた年の領収書には、本人に保存の義務があります。

明細書を出して控除を受けた場合、
申告期限等から5年間、税務署から提示や提出を求められることがあります
(所得税法120条5項)。

求められて出せないと、
控除が認められなかったものとして扱われるおそれがあります。

★ただし、医療費通知を添付して申告した分については、
その通知に載っている医療費の領収書は保存を求められていません。
どちらで申告したかを思い出してください。

手間が増える

高額療養費の申請をしたい

領収書が無いと申請できない、とは限りません。

高額療養費は、保険者(健康保険組合・協会けんぽ・市区町村)が
レセプトの記録から計算します。
多くの場合、領収書の提出は求められません。

申請できる期間は2年です(健康保険法193条)。
まず保険者に問い合わせてください。

★実務では「限度額適用認定証」やマイナ保険証で、
窓口負担が最初から上限までになることが増えています。
あとから申請する場面自体が減っています。

困らない

医療費控除を受ける予定がなく、5年も過ぎている

困りません。

医療費の領収書に、これといった保存義務はありません。
義務が生じるのは、医療費控除を受けたときだけです。

受けていないなら、捨てても実害が出る場面はほとんどありません。

取り戻す手順

  1. 加入している健康保険に「医療費のお知らせ」を求める

    どこに
    健康保険組合、協会けんぽ、市区町村(国民健康保険)
    費用
    無料のことが多い
    かかる時間
    数日〜数週間

    年に1回、まとめて届くのが普通です。
    手元に見当たらないなら、まず保険者に問い合わせてください。

    再交付の可否・費用・対象の期間は保険者ごとに違います。
    「医療費控除に使いたい」と伝えると話が早く進みます。

    ★届いたら、そのまま出す前に6つの記載事項がそろっているか
    確かめてください。1つでも欠けていると使えません。

  2. 医療機関に「領収証明書」を頼む

    どこに
    受診した医療機関・薬局
    費用
    有料のことが多い(金額は医療機関によります)
    かかる時間
    数日〜数週間

    領収書そのものは再発行されませんが、
    かわりに「領収証明書」を出してくれる医療機関があります。

    ★これも義務ではありません。
    対応するかどうか、費用がいくらか、どこまでさかのぼれるかは
    医療機関ごとに違います。
    何年も前の分は、記録が残っていないと断られます。

    薬局のレシートは、まず再発行されません。
    通っていた医療機関が少数なら現実的な手ですが、
    あちこち受診していた年には向きません。

代わりになるもの

元の書類が戻らなくても、同じことを証明できる別のものがあります。ただしどこでも通じるわけではありません。使える場面と使えない場面を分けて書いています。

代替

健康保険の「医療費のお知らせ」(医療費通知)

どこに
健康保険組合、協会けんぽ、市区町村
費用
無料のことが多い
かかる時間
年1回届く。再交付は数日〜数週間

要件を満たせば、医療費控除の添付書類そのものになります。
領収書の代わりに提出できる、数少ない書類です。

国税庁が定める記載事項は6つです。

1. 被保険者等の氏名
2. 療養を受けた年月
3. 療養を受けた者の氏名
4. 療養を受けた病院、診療所、薬局等の名称
5. 被保険者等が支払った医療費の額
6. 保険者等の名称

(後期高齢者医療広域連合の書類は 3 を除きます。)

これで足りる場面

6つの記載事項がすべてそろっている場合。

そのまま確定申告書に添付でき、
その通知に載っている分の領収書は保存しなくてよくなります。

これでは足りない場面

1つでも欠けていると使えません。

国税庁は
「医療費のお知らせが上記(1)〜(6)の記載事項に欠落や不備があり、
医療費通知に該当しない場合は、領収書等に基づいて
医療費控除の明細書を作成して
、確定申告書に添付していただくことになります。
なお、この場合には当該医療費の領収書を
確定申告期限等から5年間保存する必要があります」としています。

★もうひとつ、見落とされやすい点があります。
年末近くの受診分は載っていないことが多いものです。
載っていない分は結局、領収書から明細書を作ることになります。

保険を使っていない支払は載りません。
自費診療、市販薬、通院の交通費は対象外です。

代替

カードの利用明細・口座の引き落とし記録

どこに
手元のカード明細、通帳、ネットバンキング
費用
無料
かかる時間
すぐ

いつ・どこに・いくら払ったかの手がかりになります。

医療費控除の明細書は自分で作るものなので、
金額を思い出す材料としては役に立ちます。

これで足りる場面

明細書を作るときに、支払った日と金額を確かめたいとき。
医療費のお知らせに載っていない年末の受診分を補うとき。

これでは足りない場面

領収書の代わりに提出できるものではありません。

国税庁が求めているのは「領収書等に基づいて」明細書を作ることで、
カードの明細はその裏づけとしての位置づけがはっきりしません。
税務署から提示を求められたときに、これで足りるとは言えません。

現金で支払った分は、そもそも残りません。
医療機関の売店で買ったものと、診療費の区別もつきません。

次に同じことを起こさない

その年の領収書は、1か所にまとめてください。 封筒1つで足ります。

医療費控除は、世帯の分をまとめて申告できます。
家族の分も同じ封筒に入れておくと、集計のときに楽になります。

★「医療費のお知らせが来るから捨ててよい」と考えないでください。
年末近くの受診分は載っていないことが多いので、
その分は結局、領収書から明細書を作ることになります。

医療費控除を受けた年の領収書は、申告期限等から5年です。
明細書だけを出して控除を受けた場合、
税務署から提示を求められることがあります(所得税法120条5項)。
申告が終わった時点では捨てられません。

★通院の交通費は領収書が出ないことが多いものです。
日付・行き先・金額をメモに残しておくと、あとで困りません。

医療費の領収書はいつ捨てていい? 保存期間と条件別の判定は本体のページにあります。 次の1枚をどうするかは、こちらで確かめてください。

よくある質問

医療機関に頼めば領収書を再発行してもらえませんか?

多くの医療機関は再発行しません。

定められているのは「支払を受けるときに領収証を無償で交付する」義務で
(保険医療機関及び保険医療養担当規則5条の2)、
あとから作り直す義務ではありません。

理由はもうひとつあります。領収書は医療費控除に使われるため、
同じ支払で二重に控除を受けられてしまうからです。

かわりに「領収証明書」を出してくれる医療機関があります。
ただし義務ではなく、有料のことが多く、対応は医療機関ごとに違います。

「医療費のお知らせ」があれば、領収書はもう要りませんか?

記載事項がそろっていれば、その分については要りません。

国税庁は、医療費通知に該当する場合は
添付書類として使えるとしています。
その場合、通知に載っている医療費の領収書は保存しなくてよくなります。

★ただし年末近くの受診分は載っていないことが多いため、
その分は領収書から明細書を作ることになります。
「お知らせが来た=全部済んだ」ではありません。

過去に医療費控除を受けた年の領収書を捨てました。

どちらの方法で申告したかで変わります。

- 医療費通知を添付した場合
その通知に載っている分の領収書は、保存を求められていません。
- 明細書だけを出した場合
申告期限等から5年間、提示や提出を求められることがあります
(所得税法120条5項)。出せないと、
控除が認められなかったものとして扱われるおそれがあります。

すでに捨ててしまったなら、
まず医療費のお知らせを取り寄せられないか、保険者に相談してください。

高額療養費は領収書が無いともらえませんか?

そうとは限りません。

高額療養費は、保険者がレセプト(診療報酬明細書)の記録から計算します。
多くの場合、領収書の提出は求められません。

申請できる期間は2年です(健康保険法193条)。
まず加入している健康保険に問い合わせてください。

★近ごろは「限度額適用認定証」やマイナ保険証で
窓口負担が最初から上限までになることが増えており、
あとから申請する場面自体が減っています。

何年前の分まで取り戻せますか?

医療費のお知らせは、保険者によって出せる期間が違います。
まず問い合わせてください。

なお、医療費控除を受けるための還付申告は、
その年の翌年1月1日から5年できます。
5年より前の年について領収書を集め直しても、申告の役には立ちません。

根拠と最終確認日

このページの対処法に使った資料です。 その根拠が、この場面にどう関係しているかまで書いています。

国税庁(タックスアンサー) / 最終確認 2026-08-22
「医療費のお知らせ」が医療費通知に該当すれば添付書類として使えること、該当するための6つの記載事項、欠落があれば領収書から明細書を作り5年保存が必要になること。このページの中心。
e-Gov法令検索(デジタル庁) / 最終確認 2026-08-22
医療費控除の明細書を添付した場合、申告期限等から5年間、本人が領収書の提示・提出を求められることがあること。本人にかかる義務であることの根拠。
e-Gov法令検索(デジタル庁) / 最終確認 2026-08-22
医療機関の義務が「支払を受けるときに領収証を無償で交付する」ことであり、あとから作り直す義務ではないこと。再発行されない根拠。
国税庁(タックスアンサー) / 最終確認 2026-08-22
還付申告が翌年1月1日から5年間できること。何年前まで取り戻す意味があるかの目安。
e-Gov法令検索(デジタル庁) / 最終確認 2026-08-22
高額療養費の申請期限が2年であること。
厚生労働省 / 最終確認 2026-08-22
高額療養費制度の仕組み。保険者が処理するため、領収書が無いと必ずもらえないわけではないこと。
このページの情報が古い・違うかもしれない

窓口や手数料は変わります。こちらの誤りもありえます。 気づいたことがあれば教えてください。 連絡先の入力は任意です。

参照された公的な案内の URL があれば、それも教えてください。

確かめたいことがあるときだけ使います。