通帳を捨ててしまったときにやること
通帳そのものと、中の記録は別の話です。
入出金の記録は、金融機関に請求すれば取り寄せられます。
三菱UFJ銀行は最長10年分、ゆうちょ銀行も申込日から過去10年以内としています。
「通帳を捨てたら履歴が永久に分からなくなる」は正しくありません。
口座が生きていれば、通帳そのものも再発行できます(有料)。
本当に困る場面はひとつだけです。
家族の通帳を捨てた場合です。相続のとき、
どの金融機関のどの口座かが分からないと、記録の請求すら始められません。
このページの内容
捨てて困るのはどんなとき
捨てたこと自体が問題になるのではなく、 必要になる場面が来るかどうかで変わります。 当てはまるものがなければ、急いで動く必要はありません。
家族が亡くなり、口座を探すことになった
ゆうちょ銀行は
「相続手続きを理由としたご請求は、通帳がない場合も受付可能です。
ただし、調査する通常貯金の記号番号を、
請求書にご記入いただく必要があります」としています。
つまり手続き自体はできます。
問題は、その記号番号を遺族が知らないことです。
取引履歴は請求できますが、
どの金融機関のどの口座かが分からないと請求書が書けません。
通帳が1冊あるだけで、この壁が消えます。
事業に使っている口座の通帳だった
事業用の口座の通帳は、本人に7年の保存義務があります。
国税庁の表に「現金預金取引等関係書類:領収証、小切手控、預金通帳、
借用証など」と名指しで載っています。
捨ててしまった場合は、取引明細を取り寄せて代わりにします。
内容が同じであれば実用上は足ります。
ただし取り寄せられるのは10年程度までです。
確定申告をやり直したい・入出金を示す必要がある
申告を直せる期間は5年です。
その範囲であれば、取引明細を取り寄せれば足ります。
窓口での発行は有料で、数週間かかることがあります。
期限が迫っているなら、早めに動いてください。
使い終わった自分の通帳を捨てた
困りません。
個人の口座の通帳を保存する義務は、どこにもありません。
「通帳は10年保存」と言われる10年は、
商人=金融機関にかかる義務です(商法19条3項)。
あなたが10年持っておく必要はありません。
記録が要るときは、そのとき取り寄せれば足ります。
取り戻す手順
-
口座が生きているなら、通帳を再発行してもらう
- どこに
- 取引先の金融機関の窓口
- 費用
- 1,000円ほどが目安(金融機関によります)
- かかる時間
- その場〜数日
本人確認書類と届出印を持って窓口へ行きます。
ただし再発行された通帳に、過去の明細がすべて印字されるとは限りません。
「繰越済み」の扱いになり、以前の記帳内容は載らないことがあります。口座をすでに解約している場合、その通帳が再発行されることはありません。
次の「代わりになるもの」に進んでください。 -
中の記録が要るなら、取引明細を請求する
- どこに
- 取引先の金融機関
- 費用
- 有料のことが多い(窓口発行)
- かかる時間
- 数日〜数週間
「取引明細」「入出金明細」「取引履歴」などと呼ばれます。
三菱UFJ銀行は
「最長10年分の明細の発行が可能です
(「合計記帳」となった明細もお手続き可)」としています。請求のときに必要になるのは、口座番号(支店名と番号)です。
通帳が無くてもキャッシュカードがあれば分かります。
代わりになるもの
元の書類が戻らなくても、同じことを証明できる別のものがあります。ただしどこでも通じるわけではありません。使える場面と使えない場面を分けて書いています。
取引明細・取引履歴の発行
- どこに
- 取引先の金融機関
- 費用
- 有料のことが多い。金額は金融機関によります
- かかる時間
- 数日〜数週間(郵送で届く)
通帳の「中身」の代わりになります。
ゆうちょ銀行は「お申込日から過去10年以内の調査が可能です」としています。
背景には、商人が商業帳簿を10年保存する義務(商法19条3項)と、
金融機関が取引記録を7年保存する義務(犯罪収益移転防止法7条3項)があります。
2つが重なっているため、10年分を出せる金融機関が多いのです。
入出金の記録そのものが必要な場面。
- 事業の帳簿の裏づけ
- 確定申告のやり直し
- 相続のときの資金移動の確認
- 家賃や保険料を払っていた証明
10年より前は取れません。 それ以上は残っていないのが普通です。
どの金融機関のどの口座かが分からないと請求できません。
通帳を捨てて口座の存在ごと忘れてしまうと、請求書が書けません。
発行できる期間・手数料・必要書類は金融機関ごとに違います。
解約済みの口座について調べてもらえるかも、金融機関によります。
窓口で確かめてください。
インターネットバンキングの明細
- どこに
- 自分のパソコン・スマートフォン
- 費用
- 無料
- かかる時間
- その場で見られる
Web通帳・Eco通帳などを使っている場合、
画面から過去の明細を確認して自分で印刷できます。
三菱UFJ銀行は、Eco通帳の利用者について
最長10年分を無料で確認できるとしています。
窓口へ行く前に、まずここを見てください。費用も時間もかかりません。
自分の口座で、インターネットバンキングを使っているとき。
急いでいるときも、その場で確かめられます。
口座を解約するとログインできなくなります。
解約する予定があるなら、解約する前に落としておいてください。
表示できる期間が短い金融機関もあります(1年程度のことがあります)。
10年分が見られるとは限りません。
相続人は、亡くなった人の ID ではログインできません。
家族の口座を調べる用途には使えません。
次に同じことを起こさない
捨てる前に、表紙の内側を1枚撮っておいてください。
金融機関名・支店名・口座番号(ゆうちょなら記号番号)が写っていれば足ります。
残高は要りません。記録は後から取り寄せられますが、
どの口座かが分からないと請求書が書けないためです。
家族の通帳は、相続の手続きがすべて終わるまで捨てないでください。
1冊あるだけで、口座を探す手間がまるごと消えます。
自分の口座については、どの金融機関に口座があるかだけ家族に伝えておくと、
同じことが起きません。残高を教える必要はありません。
事業に使っている口座の通帳は、翌年3月15日の翌日から7年です。
記帳した日でも解約した日でもありません。
よくある質問
解約した口座の通帳を捨てました。履歴は取れますか?
金融機関によります。
解約後も一定期間は記録が残っていますが、
調べてもらえるかどうかは金融機関ごとに違います。
まず取引先の金融機関に相談してください。
なお、解約した口座の通帳が再発行されることはありません。
取れるとしても取引明細のほうです。
通帳が無いと、相続の手続きはできませんか?
できます。
ゆうちょ銀行は「相続手続きを理由としたご請求は、
通帳がない場合も受付可能です」としています。
ただし但し書きがあります。
「調査する通常貯金の記号番号を、請求書にご記入いただく必要があります」。
問題は、その番号を遺族が知らないことです。
キャッシュカード、郵便物、確定申告の控え、
給与や年金の振込先の記録から探すことになります。
10年より前の記録が必要です。
難しいと考えてください。
金融機関が記録を持っている根拠は、
商法19条3項の商業帳簿10年と、犯罪収益移転防止法7条3項の取引記録7年です。
それを超える分は、残っていないのが普通です。
残っている可能性がまったく無いわけではないので、
どうしても必要なら金融機関に相談してください。
通帳を捨てたら、休眠預金になってしまいますか?
関係ありません。
休眠預金の対象になるのは、
10年間、入出金などの取引が無い預金です(休眠預金等活用法)。
通帳の有無とは無関係です。
しかも移管されたあとでも、引き出せます。
取引のあった金融機関に申し出れば、通帳が無くても手続きできます。
「捨てたらお金が消える」ということはありません。
キャッシュカードも一緒に捨てました。
口座が生きているなら、金融機関で再発行してもらえます(有料のことが多い)。
本人確認書類と届出印を持って窓口へ行ってください。
★磁気ストライプや IC チップが読める状態のまま捨てないでください。
今からできることは限られますが、次からは必ず細断してください。
根拠と最終確認日
このページの対処法に使った資料です。 その根拠が、この場面にどう関係しているかまで書いています。
このページの情報が古い・違うかもしれない
窓口や手数料は変わります。こちらの誤りもありえます。 気づいたことがあれば教えてください。 連絡先の入力は任意です。