古いスマホを捨ててしまったときにやること
まず、いま何ができるかを確かめてください。
書類を捨てた場合と違って、こちらは「取り戻す」話が中心ではありません。
多くの人が心配しているのは、中に残っていたものが他人に見られないかのほうです。
端末がネットにつながる状態なら、遠隔で消去できることがあります。
つながらなくても、アカウント側からできることが残っています。
そのうえで、必要だったデータが別の場所にあるかを確かめます。
初期化してから手放したなら、本体からは戻りません。
捨てて困るのはどんなとき
捨てたこと自体が問題になるのではなく、 必要になる場面が来るかどうかで変わります。 当てはまるものがなければ、急いで動く必要はありません。
初期化しないまま手放した
いちばん急ぐのはここです。
ロックがかかっていても、中身が消えているわけではありません。
写真、メッセージ、ブラウザに保存したパスワード、
ログインしたままのアプリが、そのまま残っています。
下の「いまからできること」を、上から順にやってください。
電源が入るうちなら、遠隔で消せることがあります。
二段階認証のアプリが入ったままだった
銀行・証券・SNS にログインできなくなることがあります。
認証アプリの鍵は、多くの場合クラウドにバックアップされません。
機種変更のときに移行する仕組みがあるアプリもありますが、
端末が手元に無くなってからでは使えません。
まだログインできるサービスがあるうちに、
新しい端末へ二段階認証を移してください。
後回しにすると、入れないサービスが増えていきます。
電子マネー・交通系ICの残高が入っていた
端末に紐づいたまま消えることがあります。
会員登録している交通系ICやおサイフケータイのサービスでは、
移行や再発行の手続きが用意されていることがあります。
無記名のものは戻りません。
まずサービスの案内を確かめて、窓口に問い合わせてください。
写真や動画がクラウドに上がっていなかった
「クラウドにあるから大丈夫」と思っていても、
容量が足りずに途中から上がっていないことがあります。
クラウド側を実際に開いて、
いちばん古い写真まで残っているかを確かめてください。
「同期していた」という記憶ではなく、画面で確かめます。
初期化して、アクティベーションロックも外してから手放した
困りません。
手放す前にやるべきことは済んでいます。
本体からデータを取り戻せませんが、それは初期化した時点で分かっていたことです。
気になるなら、アカウントの「デバイス」の一覧を開いて、
その端末が消えているかだけ確かめておいてください。
いまからできること
-
端末を遠隔で消去する
- どこに
- iCloud の「探す」、または Google の「デバイスを探す」
- 費用
- 無料
- かかる時間
- 端末がネットにつながった時点で実行される
別の端末かパソコンからアカウントにログインし、
端末を選んで消去を指示します。すぐにつながらなくても、次にネットにつながった時点で実行されます。
だから「もう電源が切れているから無駄」と決めつけないでください。★Apple は、手放す前の手順として
「探す」をオフにする → アクティベーションロックを解除する →
「すべてのコンテンツと設定を消去」を実行する、という順を案内しています。
手放したあとは、この順ではなく先に消去を指示します。 -
アカウントから端末を外し、パスワードを変える
- どこに
- Apple ID / Google アカウント、主要なサービス
- 費用
- 無料
- かかる時間
- 30分ほど
消去のあと(またはできない場合)に必ずやることです。
- アカウントの「デバイス」一覧から、その端末を削除する
- Apple ID / Google アカウントのパスワードを変える
- 銀行・証券・主要な SNS のパスワードも変える
- 二段階認証の登録端末を見直す
★パスワードを変えると、その端末からのログインが切れます。
「消去できなかった」場合でも、ここまでやれば入られる範囲が狭まります。 -
回線とお金を止める
- どこに
- 携帯電話会社、決済アプリ、カード会社
- 費用
- 無料
- かかる時間
- その日のうち
SIM が入ったまま手放した場合は、携帯電話会社に連絡して止めてもらいます。
SMS が届く状態のままだと、認証を突破される入口になります。決済アプリに登録したクレジットカードは、
アプリ側から端末の登録を解除するか、カード会社に連絡します。★「たぶん大丈夫」で放置しないでください。
止めるのは無料で、あとから戻せます。 -
引き取った先に連絡する
- どこに
- 回収に出した自治体、買い取り店、下取りに出した店
- 費用
- 無料
心当たりがあるなら、連絡してみる価値はあります。
アクティベーションロックが残っていると受け取った側が使えないため、
買い取り店から連絡が来ることがあります。
その連絡を無視しないでください。 端末が戻ってくる可能性があります。自治体の回収ボックスに入れた場合は、原則として取り出せません。
データが残っているかもしれない場所
本体が戻らなくても、同じデータが別の場所にあることがあります。ただしそこに全部あるとは限りません。あるものと無いものを分けて書いています。
クラウドのバックアップ
- どこに
- iCloud / Google アカウント
- 費用
- 無料(容量による)
- かかる時間
- すぐ
写真・連絡先・カレンダー・アプリの設定などが上がっていることがあります。
新しい端末で同じアカウントにログインすれば、多くはそのまま戻ります。
パソコンのブラウザからも中身を確かめられます。
同期の対象になっていたもの。
- 写真・動画(同期していた分)
- 連絡先・カレンダー
- ブラウザのブックマーク
- 一部のアプリのデータ
全部あるとは限りません。
容量が足りなくなると、そこから先は上がっていません。
「同期していたはず」ではなく、
クラウドを開いていちばん古い写真まであるか確かめてください。
次のものは、多くの場合バックアップされていません。
- 二段階認証アプリの鍵
- SMS・通話履歴
- 設定によっては、メッセージアプリのトーク履歴
- 端末の中だけに保存したファイル
パソコンに取ったバックアップ
- どこに
- 自分のパソコン
- 費用
- 無料
- かかる時間
- すぐ
パソコンにつないでバックアップを取っていたなら、
端末をまるごと近い状態まで戻せます。
クラウドより多くのものが入っていることがあります。
最後にバックアップを取った時点までの、ほぼ全体。
クラウドに上がらないものも含まれていることがあります。
最後に取った日より後のものはありません。
何年も前のバックアップだと、実際にはほとんど役に立ちません。
暗号化して保存していた場合、そのパスワードを忘れていると開けません。
端末に保存していたパスワードなら、もう確かめられません。
サービス側に残っているもの
- どこに
- 各サービスのウェブ版
- 費用
- 無料
- かかる時間
- すぐ
そもそも本体がサーバにあるものは、端末を失っても残っています。
メール、クラウドのメモ、写真の共有アルバム、
SNS に投稿したもの、購入したアプリの履歴などです。
パソコンのブラウザから、ひとつずつログインして確かめてください。
サーバ側にデータがあるサービス。
端末は「見るための窓」でしかなかったものです。
端末にしか無かったものは戻りません。
撮ったまま同期していない写真、SMS、通話履歴、
オフラインで書いたメモ、ダウンロードしただけのファイル。
★ログインできること自体が前提です。
パスワードを端末に保存していただけの場合、
まずログインできるかどうかから始まります。
次に同じことを起こさない
次に手放すときは、この順でやってください。順番に意味があります。
1. 二段階認証を新しい端末へ移す
いちばん先です。初期化してから気づくと、銀行に入れなくなります。
2. 電子マネー・交通系ICの残高を移す
3. クラウド側を開いて、いちばん古い写真まで残っているか確かめる
「同期していたはず」で済ませないでください。
4. 「探す」をオフにして、アクティベーションロックを解除する
5. 「すべてのコンテンツと設定を消去」を実行する
6. SIM と microSD カードを抜く
★4と5を飛ばすと、受け取った側が端末を使えません。
Apple も、売却・譲渡・下取りの前にやることとして案内しています。
★microSD カードは本体と別に処分します。 一緒に捨てないでください。
よくある質問
もう手元にありません。中のデータは危ないですか?
「危ない」とも「大丈夫」とも言い切れません。
初期化したかどうか、機種、手放した先で変わります。
言い切れないからこそ、
いまからできることを済ませておくのが確実です。
遠隔消去を試す、アカウントから端末を削除する、
パスワードと二段階認証を変える、回線と決済を止める。
どれも無料で、30分ほどで終わります。
初期化してから手放しました。それでも消えていないことはありますか?
総務省は、パソコンやハードディスクについて
「画面上でデータが消えているように見えても、実際にはデータが
残されたままになっていることがあり、特殊なソフトで復元できる」
と説明しています。
★これはパソコンやハードディスクの話です。
スマートフォンは造りが違うので、そのまま当てはめないでください。
気になるなら、アカウントの「デバイス」一覧からその端末を削除し、
パスワードを変えておいてください。それで実害の入口はほぼ塞げます。
二段階認証のアプリが入ったまま手放しました。
サービスごとに、次のどちらかになります。
- 発行済みのバックアップコードを使う(保管していれば)
- サービスの窓口で再設定の手続きをする(本人確認が要ります)
銀行・証券は電話窓口での手続きになることが多く、時間がかかります。
★まだログインできるサービスから先に移してください。
一つずつ入れなくなっていくと、後になるほど手間が増えます。
電子マネーの残高は戻りますか?
サービスによります。
会員登録している交通系ICやおサイフケータイのサービスでは、
移行や再発行の手続きが用意されていることがあります。
まずそのサービスの案内を確かめてください。
無記名のものは戻りません。
買い取り店に売りました。データは消してもらえますか?
店の運用によります。約束されているとは限りません。
ただしアクティベーションロックが残っていると、
受け取った側が端末を使えません。
そのため店から連絡が来ることがあります。
連絡が来たら無視せず、
その場で遠隔消去とロック解除を済ませてください。
自分で消せるなら、待たずにいま消してください。
根拠と最終確認日
このページの対処法に使った資料です。 その根拠が、この場面にどう関係しているかまで書いています。
このページの情報が古い・違うかもしれない
窓口や手数料は変わります。こちらの誤りもありえます。 気づいたことがあれば教えてください。 連絡先の入力は任意です。